(ニュースになった記事を中心に掲載します。)

平成21年4月22日  読売新聞に掲載された記事
コーヒー飲みアルツハイマー病予防?…カフェイン効果に期待

 コーヒーやお茶などに含まれるカフェインに、アルツハイマー病の予防効果があるとする研究結果を、森隆・埼玉医大准教授と米フロリダアルツハイマー病研究センターなどが動物実験からまとめた。

 米国で近く患者らにカフェインを投与する臨床試験に入る。米専門誌に論文が掲載される。

 物忘れがひどくなるアルツハイマー病は、脳にたんぱく質のアミロイドベータ(Aβ)が異常に蓄積して、神経細胞が死んでしまう。研究チームは、生まれつきAβが蓄積しやすいマウスに、1日あたり約1・5ミリ・グラムのカフェインを水に溶かして4~5週間与えた。人間がコーヒーを毎日5杯ずつ飲むのに相当する。

 その結果、カフェインを与えないマウスに比べ、記憶力の低下が改善した。記憶にかかわる脳の海馬や大脳皮質では、Aβが蓄積した「老人斑」の形成が4~5割減少した。カフェインがAβを作る酵素の働きを抑えることも突き止めた。

 森准教授は「カフェイン入り飲料は広く飲まれており、病気の予防や進行抑制の効果を注目していきたい」と話している。


【カフェインの効用】FINE-club~健康で元気な暮らし情報
平成20年10月28日 毎日新聞に掲載された記事です
<カフェイン>痛み緩和の効果見つかる 自然科学研究機構
 コーヒーの成分のカフェインにヒトの痛みを和らげる効果のあることが、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の久保義弘教授らの研究で分かった。カフェインを使った新しい鎮痛薬の開発につながる可能性がある。米国科学アカデミー紀要(電子版)で今週発表する。

 痛みを感じる代表的なヒトのタンパク質TRPA1に、カフェインを投与すると、通常よりも反応が鈍くなった。さらに、TRPA1に痛みを感じさせるマスタードを投与して刺激させた後、カフェインを投与すると反応が抑えられた。実験で使ったカフェイン濃度は水1リットル当たり2グラム。

 カフェインには覚せいや利尿などの作用があるが、久保教授によると「ずきずきする痛みなどを抑える新しい作用が分かった」という。ただ「実験では投与する濃度が高く、ほかの作用も効きすぎてしまうため、薬を開発するには課題も多い」とも説明している。

 一方、マウスのTRPA1に同様にカフェインを投与すると、活性化して痛みが増え、ヒトとは正反対の反応を示した。ヒトのTRPA1と構造の一部が違うためで、久保教授は「マウスを使った実験でも、カフェインが痛みに影響を与える新しい作用が分かった」と注目する。
平成20年9月1日(火) 産経新聞に掲載された記事です。
コーヒー3杯で子宮体がん予防 
 コーヒーを1日3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない女性に比べ、子宮体がんになる危険度が約6割も低いとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)が1日発表した。

 子宮体がんは、肥満や糖尿病の人、女性ホルモンの働きの活発な人がなりやすいとされる。研究班の島津太一国立がんセンター研究員は「コーヒーが血糖値を下げたり、女性ホルモンの働きを調整したりすることで危険度を下げているのではないか」と話している。

 調査は、岩手、大阪など9府県の40~69歳の女性約5万4000人を平成2年から最長で15年追跡。この間に117人が子宮体がんと診断された。

 調査開始時にコーヒーを飲む習慣について聞き取り、量によって4つのグループに分けて関連を調べた。飲む頻度が週に2日以下というグループと比較すると、毎日1、2杯飲む人で約4割、毎日3杯以上飲む人では約6割、発症の危険度が低かった。
平成18年6月13日(火) アルコール性肝硬変、コーヒー1杯で8割に減少( 読売新聞に掲載されました)
 飲酒量が同じの場合は、コーヒーを多く飲む人ほどアルコール性の肝硬変になりにくいことが、米カリフォルニア州での大規模な疫学調査で確認された。

 調査を実施した研究者は、1日1杯のコーヒーで発症の危険性は8割に減るとしながらも、予防には「お酒の飲み過ぎを避けるのが先決」と、くぎも刺している。米医学誌「内科学アーカイブズ」電子版に12日発表された。

 調査は、医療保険などを運営する「カイザー・パーマネンテ」研究部門のアーサー・クラツキー医師らが、保険加入者12万5580人を対象に実施。1978~85年の時点で尋ねておいた各自の生活習慣と、その後の病気発症状況との関連を分析した。
平成18年4月23日(日) <糖尿病予防>日本茶6杯かコーヒー3杯、毎日飲んで(毎日新聞に掲載されました)
 1日に日本茶を6杯以上かコーヒーを3杯以上飲む人は、ほとんど飲まない人に比べ、2型糖尿病にかかるリスクが3、4割下がり、太った人で特に効果が大きいことが文部科学省研究班(分担研究者・磯博康大阪大教授)の大規模調査で分かった。18日付の米国内科学会誌に発表した。

 88年から90年に、全国の40~65歳の男女1万7413人に飲食習慣などを聞いた。5年間の追跡調査の結果、日本茶を飲む量を「週に1杯以下」と答えた2030人では64人(3.2%)が2型糖尿病を発症したが、「毎日6杯以上」の3835人では88人(2.3%)と少なかった。年齢や飲酒量などを考慮して分析すると「1日6杯以上」は「週1杯以下」に比べ発症リスクが33%低かった。

 コーヒーも、日に3杯以上飲むと、週に1杯以下よりリスクが42%低かった。

 コーヒーと日本茶が含むカフェインを各153ミリグラム、30ミリグラムとして計算すると、1日に305ミリグラム以上のカフェインをとる人は、97ミリグラム未満に比べリスクが33%低く、特にBMI(体格指数)25以上の肥満者では51%もリスクが下がった。BMIは、体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割って算出する。

コーヒーニュース-平成17年6月20日(月) カフェインはなぜ眠気覚まし・・・日経新聞に掲載されました)・
 コーヒーや紅茶に含まれるカフェインが眠気を覚ますのは。どのような仕組みによるものか-----
大阪バイオサイエンス研究所の裏出良博研究部長らが解明した。原因のたんぱく質を初めて突き止めた。
眠気防止薬や逆に不眠の治療法などの開発に役立つと見ている。

 このたんぱく質は「アデノシンA2A受容体」と呼ばれる。ねずみを使った実験で人間のコーヒー3杯分に相当するカフェインを与えたところ、同たんぱく質が働かない場合は目を覚ます効果がおきない事が分かった。従来、このたんぱく質と別のたんぱく質のどちらかが関係しているのかははっきりせず、議論になっていたという。

研究成果は米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス(電子版)に20日に掲載される。

 今回わかったたんぱく質の覚醒のむ働きを強める物質を発見すれば、強力な眠気防止薬が期待できる。
逆に覚醒の働きを抑える物質を見つければ、心地よく眠れる薬や不眠症の改善薬になる可能性がある。
この研究は農業・生物系特定産業技術研究機構の事業の一環で取り組んだ。
コーヒーを毎日、肝がん発症率は半減…厚労省研究班
 コーヒーを毎日飲む人はほとんど飲まない人に比べ肝がんになる率が約半分――。
厚生労働省研究班(班長=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)が実施した大規模調査で、コーヒー摂取量と肝がん発生率の関連がわかった。

 コーヒー好きには朗報と言えそうだ。16日付の米がん専門誌に掲載された。

 同研究班は1990年から約10年間、全国9か所の40―69歳の男女約9万人を追跡調査。この期間中に334人(男性250人、女性84人)が肝がんになった。

 この肝がん患者を喫煙などの影響を考慮して分析。コーヒーを「ほとんど毎日飲む」人は、「ほとんど飲まない」人に比べ、肝がんになった率が51%も少なかった。「1日5杯以上飲む」人では飲まない人の4分の1まで低くなった。

 コーヒーに含まれるどの成分が効果を及ぼしているかはわかっていない。ただ、同じくカフェインが多く含まれる緑茶を多量に飲んでいる人では、肝がん発生率の低下はほとんど認められず、コーヒー独自の成分の可能性が高いらしい。

 ただ、研究班は、肝炎ウイルスに感染していない人は、肝がんになることはまずないので、非感染者がコーヒーをたくさん飲んで予防しようと考えることはあまり意味がないとしている。
コーヒーニュース-平成16年3月10日(水) <糖尿病予防にコーヒー>「一日3、4杯でかかりににく」 日本経済新聞
 十日発行の米医師会誌(JAMAは、コーヒーを飲む量が多い人ほど、糖尿病にかかる危険が小さくなるとするフィンランド国立公衆衛生研究所の調査結果を伝えた。
フィンランド国立研が調査

 同研究所が35-64歳の約1万4600人を調査した結果によると、1日3-4杯のコーヒーを飲んだ場合、飲まない人に比べ女性で29パーセント、男性で27パーセント糖尿病にかかる比率が減少。1日10杯以上飲んだ場合は、女性で79パーセント、男性で55パーセントの減少となった。
 因果関係は不明だが、コーヒーに含まれているクロロゲン酸が血糖値調整に間接的役割を果たしている可能性があるほか、カフェインがすい臓からのインシュリン分泌を促進、血糖を減少させることも考えられるという。(ニューヨーク=共同)
                                          
珈琲ニュース - 平成15年3月10日(月) <コーヒー>よく飲む人ほど血糖値低め

<コーヒー>よく飲む人ほど血糖値低め 東大病院など調査

 コーヒーをよく飲む人ほど血糖値が低く抑えられる傾向があることが、東京大病院と朝日生命糖尿病研究所の調査で分かった。コーヒーの成分に糖尿病の発症を防ぐ効果があることを示唆しており、糖尿病の予防や治療につながる可能性があるという。

 東京大病院糖尿病・代謝内科の五十川陽洋医師と朝日生命糖尿病研究所の野田光彦主任研究員らは、東京都葛飾区の検診に参加した50歳の男女のうち糖尿病と診断されていない計2452人(男941人、女1511人)の空腹時の血糖値を調べた。

 血液1デシリットル当たりの血糖値が126ミリグラム以上が糖尿病、110ミリグラム以上が境界領域とされる。男性の場合、コーヒーを飲む回数が週1回未満の人では19.0%が境界領域だったが、週5回以上の人では9.7%と少なかった。女性の場合でも、週1回未満では6.9%だが、週5回以上だと3.6%だった。

 砂糖やミルクを入れて飲んでいる人も調査対象に含まれているが、血糖値への効果は詳しく分析していないという。

 一方、紅茶や緑茶、ウーロン茶でも同様の調査をしたが、血糖値への効果はみられなかった。

 研究グループは、コーヒーに含まれる成分のうち、カフェイン以外のクロロゲン酸やマグネシウムなどに血糖値を抑える効果があるのではないかとみている。

 野田主任研究員は「今後は糖尿病の発症との関係について研究し、予防や治療につなげたい」と話している。 


珈琲ニュース - 1月19日(日) <大腸がん>コーヒー好きの女性、危険度半分 毎日1杯以上で

<大腸がん>コーヒー好きの女性、危険度半分 毎日1杯以上で

 コーヒーを毎日1杯以上飲む女性は、まったく飲まない人に比べ、大腸がんになる危険度が半分以下だった――。こんな調査結果を、岐阜大医学部の清水弘之教授(がん疫学)の研究グループがまとめた。「なぜか」は未解明だが、コーヒーが大腸に何らかのよい効果を与える可能性を示しているという。24日から福岡市で開かれる日本疫学会で発表する。

 清水教授らは92年から、岐阜県高山市の35歳以上の3万224人(男性1万3893人、女性1万6331人)を対象に、食事やし好品の摂取量と大腸がん発生との関係を調べた。調査当初は全員、大腸がん患者でなかったが、00年までに男性111人、女性102人が大腸がんと診断された。

 調査全対象者をコーヒーを飲む量で、まったく飲まない▽1日1杯未満▽1日1杯以上――に分け、大腸がん発生の比率を比較。さらに年齢や身長、肥満度、飲酒量、喫煙量などの個人差や地域事情が影響しないようにデータを補正して、大腸がんになる危険度を割り出した。

 その結果、男女ともコーヒーを飲まない人の危険度を1とすると、1日1杯以上飲む女性の危険度は0.49で、半分以下になり、統計学的に危険度が低いと判断した。1杯以上飲む男性や、1杯未満の男女は、危険度が高いか低いかの有効な結果は出なかった。

 愛知県がんセンターの嶽崎(たけざき)俊郎疫学・予防部室長も98年、コーヒーを1日3杯以上飲む人の胃がんと直腸がんの危険度はいずれも、飲まない人の半分以下だったという調査結果を発表している。岐阜大の調査について嶽崎室長は「食生活など個人の生活習慣を幅広く考慮する必要があり、コーヒーの効果について結論づけたことは言えないが、注目すべき結果だ」と話している。

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